自分の未来像を勝手に
一人で一通り話し終わった後、


「まぁ、もうバレてしまったし、
…ちゃんと話すよ。」


日向は、ふぅ、と一息ついて
自分の事を話しだした。


「まず、はじめに、
あたしは長州の者ではないと言ったが、
長州生まれの長州暮らしだった。」


…。


「…そうか。」


…いや、それを長州の者って言うんだが…


はじめから、ツッコミどころがあるとは
思ってもいなかった…←


幹部の皆も同じ事を思ったのか、
苦笑いしている。


「あたしは、長州の山奥にあった狐の村にお父さんとお母さんと住んでいた。
そこにいる狐は妖狐だから、皆妖術などを使える。だから、あたし達は狐の姿より人間の姿の方が何かと便利だから、人間に化けて暮らしてたんだ。
…もちろん、人間にばれないようにな。」


「ばれないように密かに暮らすのも大変だけど、それでも幸せだったんだ。
けど…」


狐の姿だからよく分からないが、
日向の表情が曇った気がした。


「突然、長州の人間達が村を襲ってきた。多分、誰かの変化がとけてしまったんだろう。変化するのはかなり難しいからな。それを見た人間があたし達を利用しようとして、襲ってきたんだ。」


「ちなみに、あたしは下手で変化がとけた訳じゃないからなっ、楓月に変な術かけられたせいだからなっ、そこんとこよろしく←」


明るく振る舞う日向とは逆に、
沈んでいく俺たち。


日向たちを襲ったのは紛れもない
俺たちと同じ人間だ。


俺は何も言う事が出来なかった。