その言葉は、素直に嬉しかった。
本当に本当に嬉しくて、凌祐の胸に飛び込みたいくらいだけれど、まだ疑問は残っている。
「佐倉さんの事、本当に素直に受け取っていいの？だいたい、私が秘書になるのを反対していた上に、今度は辞めさせられるのに…」
いくら、二人が体の関係だけだったとは言っても、佐倉さんは凌祐が好きなのだ。
その二人が、私より長い時間一緒にいるのは複雑だった。
それに、佐倉さんはそんな簡単に割り切れるのか。
「唯香の事は、本当にごめん。あいつにも、謝っても足りないくらいだと思ってる。ただ、唯香は本当にビジネスセンスがあって、仕事の上では失いたくない。ただ、それを変な風には、誤解して欲しくないんだ」
それは分かる。
私も一緒に仕事をしていて、佐倉さんには脱帽だ。
それに、こんなに必死に話してくれる凌祐が、嘘をついている様にも見えなかった。
「うん…。凌祐の言いたい意味、今なら分かるよ。ただ、私が仕事を続けては、いけない理由があるの？出来たら、続けたいのに…」
それは、佐倉さんに対する対抗意識からなのか、やっぱり二人を信頼しきれてないからなのか、それは正直分からない。
