電話を切ったあとのあたしは、超不機嫌。




なぜなのか、コイツは全くわかってない。




「あれ、真央。怒ってる?」




「別にー」




「あれか。高木ちゃんと喋りながら、手ぇ握ったから?他の女の存在感じながら、そーいうの嫌いそうだもんなお前」




違~うっ!!















「そんなんじゃないし。よかったね、仲直りできて」




「あ、やっぱ事務所辞めた方がよかった?真央がその方がいいなら……」




本気で辞めちゃいそうだから、ちょっと慌てた。




「ちっ、違うよ。あたしの勝手なヤキモチ!」




「は、ヤキモチ?なんでだよ、ちゃんとお前の前で、相手にしねーって断ったじゃん」




「そうだけど…もぉ、いいよ。気にしないで」




郁実から手を離し、少し離れたところに立つ。





郁実はわけがわからないといった風に頭をかき、ベッドの端に腰かけた。




「気にするって。さっきの俺、なんかマズかった?」




「全然。正解しか言ってないはず。うん」




「なんだよ、気になる。そのラインを越えたら…って言ったから?キスとかそーいう意味じゃねーのに」




「違うってば!郁実の女の子への接し方って、誤解を生むの。かける言葉が優しすぎるんだよ。あれじゃ、諦められないよ」




「そーか?」




「そうなの!」




その無自覚さが、モテ男であるが所以なんだろうけど。




これから、相当苦労しそうな気がしてきた。




あぁ…頭痛い。