待ち合わせするってことは、和解したのか。




そのつもりだったけど、話がすんなりまとまったことにジェラシーを覚えずにはいられない。




高木さんは、あたしから郁実を奪ったって思ってるよね。




もう、自分の自分のモノだって思ってたら、どうしよう…。




不安になっていると、突然郁実があたしの隣に立った。




そして、ギュッと手を握ってくる。




郁実……?









「高木ちゃん……これから、真面目に仕事に取り組んでいくつもり。だけど、これだけは言わせて」




郁実は、電話をしながらあたしに指を絡めてくる。




そんな仕草にドキドキするけど、高木さんと話しながらこういうこと…どうなの?




そう思っていると。




「仕事上のパートナーとしては、尊敬してる。これ以上のヤツはいないって思ってる……けど、それだけ。それ以上はないと思ってて」




ドキッ。




「そのラインを越えようとしたら…俺はすぐに事務所を辞めるから。俺を売りたいんだろ?だったら、公私混同すんなよ」




ちゃんと…言ってくれた。




しかも、あたしの目の前で……。