そう思ったら、天井を仰ぐ形になっているあたしの頭上に、井上くんの顔が覗いた。



そして、なぜかそのまま井上くんに抱きとめられていた。



「生意気な女…」



そう言ったかと思うと、目の前が井上くんでいっぱいになった。











……え。



唇に温もりを感じたと同時に、クラスメートの女子の声が教室内に響きわたった。



「郁実くんが真央とっ……」



「嫌~っ!!」



なっ……なにが起こったの!?