カバンの中から教科書を出して机に入れていると、誰かがあたしの席の横に立った。



ふと頭を上げたんだけど、思わず顔が引きつった。



「し……白雪ちゃん」



今朝のメール、もしかして白雪ちゃんじゃないのかって思ったんだけど、



疑ったらダメだよね。



わかってはいるけど、笑顔になることができない。








「今朝、あたしのところにこんなメールが……一体誰がこんなこと…」



白雪ちゃんに見せられたのは、さっき友ちゃんが見せてくれたのと同じモノだった。



ってことは、やっぱり白雪ちゃんじゃなかったんだね。



「わかんない……でももう平気。気にしないことにしたから」



「……えっ、ショックじゃないの!?」



白雪ちゃんは目を見開いて驚いている。



「ショックじゃないって言ったらウソになるけど、ホントのことじゃないから」



「そうだけど、学校に来づらくない?朝からみんなが真央の噂してたよ」



そう言われるとまた胸がズキズキしてくるけど、友ちゃんが信じてくれてるから大丈夫。



「うん、平気」



今度は笑うことができて、白雪ちゃんに笑ってみせた。



だけど白雪ちゃんはなんだか嬉しくなさそう。



……どうしたんだろう。