「郁実くんが……退学して海外に……」



「今日おじさんを説得するつもりだけどね…どうなるか……」



「そうだね…だけどもし郁実くんがいなくなったら、真央は大丈夫なの?」



友ちゃんが心配そうに見つめてくる。



「大丈夫って?」



「しばらく一緒に住んでるわけでしょ?だったらもう、郁実くんがいない生活なんて考えられないよね?

今回のこのメールだって、郁実くんがいればすぐに解決してくれそうだし」



「う……ん……」



ホントそう。



気にしない……って自分に言いきかせるけど、やっぱり傷ついたし、胸の中がずっとモヤモヤしてる。



「あたしも一緒におじさんのところに行こうか?」



「友ちゃんの優しさは嬉しいけど、とりあえずあたしと郁実で説得してみる」



「あたしでよかったら、いつでも力になるから。真央、負けちゃダメだよ」



「ありがとう…」



自分ではわからなかったけど弱っていたみたいで、優しい言葉をかけられて泣いてしまった。



涙を拭い、落ち着こうと深呼吸をする。



「……もう、チャイム鳴るね。行こう」



頑張って笑顔を作ると、友ちゃんがギュッと抱きしめてきた。



「こんな真央、初めて見た。ホントに……郁実くんのことが、好きなんだね。大丈夫だよ、きっとうまくいくから」



そういえば、友ちゃんの前で泣いたことなんてなかったかもしれない。



それに恋愛をしたのも、今回が初めてだしね……。