「前々から、井上くんのことは女生徒とのことで何度も職員会議で問題になっていたんだ。

あっちから退学してくれて、正直ホッとしている」



「郁実は、なにも悪いことはしてません!周りが勝手に変な噂を……」



「噂がたつこと自体が問題なんだ!!ここまで言ってもわからないのか!?」



学園長に怒鳴られ、ビクッと肩が震える。



恐怖心もあるけど、どう返していいのかわからず、あたしはなにも言えなくなってしまった。








「井上くんを説得しないというなら、私からマスコミに全部話してもいいんだよ」



「え……」



「女性関係や、人をすぐに殴ること。そうすれば、デビューの話も、なかったことになるだろう。

そして家族との縁も切られ、井上くんの未来は?君が勝手に判断していいことなのか?」



「それは……」



「井上くんにとってベストなのは、今、学校を辞めて、親元で暮らすことなんだ。

井上くんがホームレスになったら、全ては君の責任だ。わかるね?」


そんな…。


全責任が、あたしに?



郁実を、生かすも殺すもあたし…ってこと、なの?