「ずっと…黙って聞いてたから、あたしも白雪さんがどんな話をしてるのか、気になった……」



「どうして代わったのよ!!それなら早く言いなさいよっ」



「あのとき郁実に代われって言ってたのに、ずいぶん勝手だよね。ミキオくんの電話からかけてたよね?

郁実は、ミキオくんからだと思ったみたい。白雪さんこそ、どうしてミキオくんの電話から?」



「あんたの電話番号知ってるのが、たまたまミキオだったからよ……どうしよう……あたし……」



今までの威勢はどこへといった感じで、白雪さんが力なくうなだれる。



周りの女の子たちに支えられて、なんとか立っている感じ。



「自業自得でしょ?あたしを脅して、郁実から遠ざけようとした。それが全部、あたしと郁実の距離を近づけた」



「…………」



立場が逆転したから、今こそ、もう少し白雪さんに念押ししておかなきゃっていう気持ちになってくる。



あたしと郁実は、白雪さんが思うより、ずっと深い絆で繋がってるんだから…。








「同じベッドで寝た日も……郁実は、あたしに指一本触れなかった。そういうことしなくても、一緒にいられるだけでいいって……」



「なっ……」



「あ…だけど、朝まで手は繋いでてくれた。キスも、何回もした」



「嫌……やめて……」



白雪さんが、フルフルと首を横に振る。



嫌がってるのがわかってるのに、今までの分をやり返す気持ちがこみあげてくる。



もう、これ以上郁実とあたしの間に割って入ってこないで……。