――ドカッ!!



絶対に、手は出さない……って、決めてたけど、




思わず足が出てしまった。




だけど、本人に直接やったら大変なことになるから、思いっきり壁に足を打ちつけた。



白雪さんや周りの子たちは、あたしがこんなことをするなんて思ってなかったみたいで、完全に固まってしまってる。



強い口調で言い返してやりたいところだけど、敢えて、落ち着いた口調で話すことにした。



その方が、頭に血がのぼっている白雪さんには、効果的な気がするから…。











「あたしと郁実をくっつけたのは、白雪さんだよ…」



あたしの言葉に、白雪さんが訝しげに顔を歪める。



「…は?」



「ミキオくんのことで、郁実が何度か助けてくれた。その度に、あたしたちの絆が深まっていったのは確かだもん」



「な…に言ってるの?」



「ホントにそうだから。ミキオくんにとられたくないって…言ってた。

郁実に嫉妬させるようなことするから…」



「だからって、好きにならないでよ!!あたしの郁実なのっ!!ずっと…ずっと好きなの!!」



「そんなの、知らないよ。白雪さんは当然わかってると思うけど……郁実と一緒にいたら……絶対に、好きになる。

それに悪いけど、あたしたちずっと一緒にいようって約束したから」



半泣きの白雪さんに、言ってやった。



また言い返してきたって、受けてたつ!!