「また今度話すから……あ~もぉ、最悪。家に帰りたくない……」



「どうしたの?親とケンカでもしたの?」



「ううん、違うの。もしかしたら、友ちゃんちにしばらく泊めてもらうかも…」



「ウチはいいけど。ホント、悩みがあるなら話してね」



「うん…ありがと」



井上くんの話をするべきか、迷うな。



友ちゃんは口外しないだろうけど、もし一緒に住んでることを知ったら、



「あの井上くんだよ!?絶好のチャンスじゃない!真央、頑張れ!!」



って、違う応援をされちゃいそうなんだもんなぁ。



昨日は話そうと思ってたけど、面と向かうと言えなくなる。


う~ん、困った。







自分の席で友ちゃんと話していると、廊下が騒がしくなった。



「わぉ、井上くんだ~」