「さっきの人は、Mプロの人だって。出された条件は結構良かったけどな…」



Mプロといえば、超大手だよ!



だけど、アイドルばっかり。



郁実が、ニコニコ笑って歌って踊って、バラエティにも出たりしたら、人気が出ちゃうに決まってる!




「ダメ~!郁実は、世界一のアーティストになるんだもんね!?」



「え……まあ、そーなんだけど。俺の歌唱力で世界一は、ちょっと言い過ぎたかも」



「そんなことない!郁実の歌は、世界一なの。あたしが、認めるよ」



ギュッと、腕に力をこめる。



「嬉しーこと言ってくれんじゃん。真央は、世界一の彼女だよな」



クルリと振りむいたかと思うと、チュッとキスをされた。









「うっ……わあっ!」



「おいっ……っぶね、手ぇ離したら、落ちるってわかんねー?」



キスに驚いて、危うく自転車から転げ落ちるところだった。



間一髪で、郁実があたしを抱きとめてくれたから大丈夫だったんだけどね。



「だだだっ……だって!!こんな人が多いところで、いきなりキスするからっ」



「だって、したかったし~」