「女と同居とか、ありえねー。白雪先輩だってさ、だから心配してんじゃん。ふと魔がさしたときに、ヤっちゃうんじゃないかって」



――パンッ!!



ミキオくんの言葉を聞いて、あたしは彼の頬を無意識のうちに叩いていた。




「痛ってぇ……」



「仮にも自分の好きな先輩なんでしょ!?そんなこと、言うもんじゃないよ!!

井上くんはバカだし、チャラいし、いい加減なヤツだし……

あたしに嫌なこともたくさん言ってくるけど、だけどあたしには、そういうことしないよ!」



昨日だって……隙なんていくらでもあったはず。



それなのに、自分は寝ないで、あたしをストーカーから守ってくれて。



それで、自分は風邪ひいて……。



あたしが一方的に嫌ってたけど、



優しいところも……ホントは、あるんだって、知った。








「真央ちゃんは、郁実先輩のことよく知らないからなー。どう思ってるか知らないけど、あの人、相当チャラいから」



ズキッ。



井上くんがチャラいことなんて、知ってたことなのに、どうしてか胸が痛む。



「そんなこと……」



「それに、あの人前科あるし」



「え……」