ジリジリと、あたしとの間を詰めてくる。



だけど、あたしも後ろへと後ずさる……って、もう逃げ場がなかった!



ミキオくんの背に玄関があるし、2階に自分の部屋に続く階段も、あたしの位置からは遠い。



あとの逃げ道は、リビングの窓しかない。



だけど、さっきカギを閉めたし、開けてる間に捕まってしまうかもしれない。



どうしよう……。







「ミキオくんのこと、信用してたのに!!ヒドイよ」



「ハハッ、俺なんて、そんなもんっす。それに、郁実先輩とだって時間の問題じゃねーの?あの人、手ぇ早いもん」



「そ……そんなことない……井上くんは、あたしに指1本触れて来ないよ……」



そこまで言って、ハッとした。



……そうだ、さっきキスされたんだった。



黙りこんだあたしを見て、ミキオくんがフッと鼻で笑う。