「そう思ってたけど……やっぱ、俺も男だし……」



「はいっ?……え、ちょっと!?ヤダ!」



ミキオくんがあたしを壁に追いつめてくる。



「遊びに来て、『待ってました~』って、そんなかわいい顔で言われたら、狼にもなる」



「ええっ!?冗談でしょ!?」



「マジ!家、誰かいんの?ひとりだろ?絶好のチャンスじゃん」



ウソー!!


ストーカーより、タチが悪い!?



味方になってくれた思っていたミキオくんが、やっぱり一番の敵だった!?



ミキオくんは嬉しそうに、あたしの肩を壁に押さえつける。



あたしはその手を振りはらい、廊下の端まで慌てて逃げた。



「やっ……それ以上近寄ったら、大声出して叫ぶわよっ!!」



「誰も来ねーよ」



うっ……それは、そうなんだけど……。