「なんでもっと早く言わなかったの。」

涙を流しながら、笑いながら羽羅らが言ってくれた。

「なんて言われるかわかんなくて。」

「なにも言わないのに。今度からはもっと早く言ってね。」

「うん。」

あたしが泣き止むまでずっと背中をさすってくれていた。

「今日はとりあえず帰ろう。」

「うん。ごめんね。」

「いいよ、いいよ。そうだ、うち来る?」

「でも、、、。」

「でも何?」

「でもいいの?」

「いいよ!全然、全然。もっと詳しく聞きたいし。」

「ありがとう。」

あたしたちは店を出て、羽羅らの家に向かった。

出たときに璃空に似た人を見かけた。

「ただいま!」

「おかえり。早いわねって亜璃ちゃんじゃない。いらっしゃい。」

「突然すいません。お邪魔します。」

「礼儀正しいわね。いつも羽羅らがお世話になって。」

「いえいえ。私の方が羽羅らさんにお世話になってます。」

「そうなの?でも仲いいなら良かったわ。」

と言ってキッチンへと行ってしまった。

「上がって。」

「お邪魔します。」

「汚いけど、どうぞ。」

「めっちゃ綺麗じゃん。」

「そうかな?」

羽羅らの部屋は宮殿の一室のようだった。

「んで、さっきの続きを話して。」

「あっ。あたしね、璃空が好きだったの。」

「ええーーーー!マジで?」

「うん。」

「でも杉浦君は瑠璃ちゃんのことが好きだったって訳か。」

「うん。めちゃくちゃ傷ついた。」

「だろうね。」

「うん。」

それからもずっと羽羅らはあたしの話をしっかり聞いてくれた。