「はぁー。無事でよかった!」


隼人先輩はそう言いながらクルリと振り向き私を抱きしめる。



「せ、先輩!ここ外ですよ⁉︎」



みんな見てるよ…



「あ、悪い悪い。」



すぐに私から体を離してくれた。

急に抱きしめられたから私の心臓はまだドキドキと鳴っている。





「ところでリナはなんであそこで待ってないのかな?」




先輩、笑顔なのに怒ってますよね…?

逆に怖いよ。




「えっと、今日、先輩にワガママたくさん聞いてもらってるので、お礼にキーホルダー買おうと思ったんです。」




手に持っていたイルカのキーホルダーを見せる。




「何それ可愛いすぎ。許す。」



先輩はふにゃっと笑顔になった。


可愛いってイルカのキーホルダーがかな?なるべくシンプルなの選んだんだけど…



「先輩、このキーホルダー可愛いすぎですか?」



「え?普通だけど?むしろシンプル。」