せわしなく動くコピー機。
俺は印刷室にあるシュレッダーの前にいた。
今からこの企画書をなかったことにするためだ。
USBも破壊しようと持ってきた。
だから俺の右手にはトンカチが握られている。

生まれて初めてだった。
仕事での失敗は。

今までも沢山仕事してきたが
会社に入ってからはそんな失敗全くしてこなかった。
久々の敗北は正直堪えた。
部長がいっていた意味が良く分かった。
いくら企画しても、向こうは取り合ってくれない。
やるだけ、無駄、なんだ。

くそ、なんか泣けてきた。

俺は何勘違いをしてきたんだろう。

息まいてこんな身動きの取れないところにはいって。

そう言えば常務にも何度か釘を刺されていたっけ。
大人しく従っておけばよかった。

後ろでなっていたコピー機の音が消えた。