「ところでさ、修也。今日連れまわしてた女の子って、日娘ちゃん?」

姉貴がニヤニヤしながら言う。

ぎく。

「あ、図星!?やっぱりねー!」

「あら。日娘ちゃんって誰?」

母親が俺の向かい側の椅子に座りながら、言う。

「修也の好きな子。」

「ちょ、姉貴!!!」

「まあああああ!!修也に好きな子!?」

母親が大袈裟に驚く。

「桃華、その子、どんな子なの!?」

「す、好きじゃねえし別に!姉貴も変なこと言うなよ!」

「またまたぁ~、修也も素直じゃないなあ♪」

姉貴が楽しそうに言って、カレーを口に運ぶ。

「おちおちしてると、ほかの男の子に取られちゃうよ?日娘ちゃん可愛いから、人気なんじゃない?」

「え。」

姉貴の言葉に一瞬動きをぴたりと止めてしまった。

「……あ、ちょっと動揺してる。」

「してねえよ!」