川村の顔を掴んでいたら、川村の首に触れている指に

どくん、どくん、とかなり早い鼓動が伝わってきました。

まさか、心臓に異常が!?

椅子から落ちた衝撃で熱が出ちゃって、その熱の影響で心臓に負担がかかってるのかな!?

私は急いで川村の左胸に手を当てました。

やっぱり凄まじい勢いで心臓が動いてます。

「…おっ、おい!!」

川村が何か叫んだけど私はそれどころじゃなかったです。

「…ドキドキしてる。やっぱり具合悪いんだ…?やっぱりさっき椅子から落ちちゃったからかな?ごめんね…私が、余計な事言ったから…。」

ただ私は、川村の喜ぶ顔が見たかったんです。

川村は何も言いません。

「…川村、本当に大丈夫?」

私が言うと、川村はちょっと上ずった声で途切れ途切れに

「…ほんと…に…大丈夫…だから…っ…。」

と弱々しく言ってきました。

私から見れば全然大丈夫そうじゃないんですけど、本人がそう言うのでちょっと一安心。