「…え…?いや、だから、あのね…よく分かんないんだ…。」

『じゃあ教えてあげる、日娘、絶対あんた川村の事好きだから!だって、川村の横で顔真っ赤にしてたじゃん!』

「いや、あのそれは、指先がちょっと川村の手に触っちゃって、それで、なんか…。」

言葉が詰まる。

『…なんか?』

その時、急にばくばくと心臓が暴れ始めました。

何だろう、こんな気持ち、初めてだ。

「なんか、電気みたいな…。なんか、すごくびっくりした。」

『は?電気?』

「…心臓が、どきどきして、ほっぺたが熱くなって…、その…えっと。」

すると、電話口からくすくすと声が聞こえてきました。

『それさぁ、日娘?』

「…はい?」

『完全に川村に恋してるよ。』