「えー!?嫌いじゃないんだー!?あの女の子嫌いの修ちゃんがー!?」

その『修ちゃん』って呼び方何。

江崎は俺の肩をバシバシと叩いてきた。

「んー、まー、分からなくもないかな?だって沢嶋っち、優しいし、可愛いもんねー!!」

「だから好きじゃないって言ってんだろ。」

「もー!素直じゃないなぁ修ちゃん!」

…ヘタに答えるんじゃなかった。

「もうこれは運命っしょ、沢嶋っちがこの学校に転向してきて、修ちゃんの隣の席になって、…嫌いじゃないんでしょ!?もーこれは運命だね!沢嶋っちと修ちゃん、赤い糸で繋がってるんだよ!」

「…ついにトチ狂ったか。お前。」

江崎を置いてサッサと歩くと、後ろから、ちょっと待ってよ!!!という声が聞こえてきた。

好きじゃないけど…、嫌いじゃない。…でもいないと落ち着かない、そんな感じ。

この…くすぐったいような感情は、…何?

「…やっぱ好きなんでしょ!?図星だから逃げてるんでしょー!?修ちゃん!」

ニヤニヤしながら言ってくる江崎に舌打ち。

…あー…イライラする。

コイツの寿命あとどれくらいかな。