「…それぐらい自分でやれよ。いくら馬鹿でもそれぐらいできるだろ。」

「ひど!!馬鹿っていう方が馬鹿なんだもん!」

…言い返し方が小学生。

でも沢嶋はそんなに怒ってるわけではなさそうだった。

何、コイツはドMなの。

俺の手からハンカチを奪い取ると、沢嶋は自分でゴシゴシと口のあたりを拭った。

「うわ。」

「え!?何!?その『うわ』って!」

「…お前、拭いたの逆効果。逆にソースが付いてる範囲を広げてる。」

「嘘!?」

なんでソース拭くだけでそんなわちゃわちゃしてんの。

これ以上沢嶋にやらせてても、自体が悪化するだけだろうしいつまでもうるさいだろうし。

「…じっとしてろ。」

…しょうがない奴。

俺は沢嶋の手からハンカチを取って、それで口のあたりを拭ってやった。

「…っ!」

びくっと体を震わせてぎゅっと目をつぶる沢嶋。