「…なぁに～？そんなにアタシが気に入らないわけぇ？」

「……。」

周りの女子は顔を真っ青にして、こっちを見てる。

クラスも一斉に静まり返って桜田を見てる。

そういや桜田は怖いもの知らずな性格で有名だったっけ。

そう言えばついこの前、女ヤンキーの先輩の彼氏を盗ったとかで、一時期すごい騒ぎになってたな…。

「何なのよ、アンタ。ムカつくぅ。」

その語尾を変に伸ばすクセがさらに気持ち悪いし、不愉快。

「…謝りなさいよぉ。変な顔してごめんなさいって。」

「…は?」

意味不明なんだけど。

俺が無視して再び焼きそばパンを頬張ろうとしたら桜田は俺の手から焼きそばパンを奪って床に叩き付けた。さらに上履きで踏みつける。

「…あーぁっ、ざーんねーん!もうコレ、食べられないねえっ!!」

さすがにこれにはムカついて、桜田をギロリと睨み上げると、一瞬怯んだような顔をしたけど、すぐに、

「何よぉ～?文句あるのぉ～?」

と睨み返してきた。