「俺が気にする。」

「あー…そう…。」

沢嶋は苦笑いしながら、ありがとう、と言った。

「ねー、本当に保健室いいの?」

「何、そんなに俺を保健室送りにしたいわけ?」

俺が皮肉っぽく言うと、沢嶋は首をぶんぶんと横に振った。

「いやいやめっそうもない。ただ…結構、アザとか、ひどいなあって思って。」

「…別に、平気だし。」

すると、沢嶋はぴくりと眉をひそめた。

そして、首をかしげる。

「…ねえ川村?」

「何。」

「一つ、質問していい?」

急に何。

「…別にいいけど?…何?」

「別に、平気だし、って、言ったよね?なら…どうしてあんなに悲しい目してたの?」

「は?」

「何の光も映ってない、真っ暗な、目。全てに絶望しきったような、とても、悲しい、そんな目。」