「えー、転校生の沢嶋 日娘((さわしま ぴこ だ。」

担任の松本の隣にはくりっとした大きな目が特徴的な童顔の、背の小さい女子が立っていた。

『ぴこ』・・・変な名前。

頬杖を付きながらそんなことを考える。

「えええとて、てててて転校生の」

…落ち着けよ。

「て、転校生の、さ、さわ、沢嶋日娘です。よろしくお願いします!!!」

転校生はすごい勢いで頭を下げた。

あまりにも勢いよく頭を下げるもんだからその勢いで前にある教卓に額をぶつけ、教室にゴツンという音が響く。

「うぇ!?」

教室から笑いが上がった。

痛かったのか、転校生は顔を上げて何度も額をさすっている。

…顔真っ赤だし泣きそう。

「は、はは。さ、沢嶋は面白いな!!!みんな仲良くしてやれよ。」

担任が必死にフォローに入る。

「さぁ、沢島。気を取り直して席決めと行こうか。沢島の席は・・・あそこだ。」

と、担任が指をさしたのは。


…え…俺?