噂をすれば、か。

トイレに江崎が入ってきた。

「…何だ、またやられたか。」

「…ん…。」

「…隣の子に、見つかった?そのアザ。」

「…あの変人?」

「いいじゃん、あの子、今までに類を見ないジャンルの子って感じで。いい子そうじゃん!中々に可愛いし♪なんであんなに突き放した言い方するの、迷惑だから、とかさ。」

「…巻き込むの、嫌だから。」

俺がそう言うと江崎が軽くため息をついた。

「…お前って変なとこ優しいよね。」

「るせぇ…。」

俺は再びマスクをつけた。