修也side

トイレで用を足すついでに、マスクをとって鏡を見た。

「…ちっ。」

ひでぇアザ。

…手加減しねぇで殴りやがって。

『心配してるのに!!!』

『それ、本心?』

…あの変人の声が頭に響く。

今まで、誰かに『心配』されたことなんて滅多になかった。

しかも、マスクで隠しといたアザも、一瞬で見抜いた。

「…うざ。」

アイツ、何なの。

いくらキツい言葉投げかけても一切の怯みがない。

『ひどい』とか

『席替えしたい』とか言ってるくせに

笑顔で話しかけてくる。

何なんだろう。

馬鹿なのか。

「…いっ……。」

頬のアザを少し押してみると、鈍い痛みが走った。