「あ…あとさぁ、大きすぎるから、横、スカスカだよ?風邪予防にはなってないんじゃない?」

「…うるせぇな。」

無愛想くんはそう言うと再び本に目を移しました。

もー、本当に愛想ないんだなー…。

その時、一瞬だけ横のスカスカなところから中が見えました。

「…!?」

見えたのは、ひどい、アザ。

紫色に変色してた。

「…ちょっと川村マスク外して。」

「……何でだし。」

「いいから!」

「無理。」

「…どうしたのそのアザ!」

「…っ。」

無愛想君が目を見開きました。

「…ぶつけただけだから。」

「ぶつけただけで付くようなアザじゃないでしょ!?」

「…大丈夫だから!」

無愛想君が初めてここまで感情をあらわにした。