「…ねえ、川村。」

「…ん?」

「マスク、風邪?」

「……なんで教えなきゃいけないの。」

「いいじゃんそれぐらい!!!」

「……風邪予防。」

「ふうん…ってあれ…。」

そう言えば何か…マスク、大きすぎませんか。

「…じ、じゃあ、私、席もどるね!」

亜美ちゃんはサーッとどこかへ行ってしまいました。

そんなに無愛想君が怖いかなあ。

「…川村、顔の大きさの割にはずいぶん大きいマスクするんだね。」

すると、無愛想君の表情が一瞬、ぴくりと動きました。

「…え…どうしたの?」

「…別に、家にこれしかなかったから。」

「…その大きさのマスクを家族で使うの?」

「…別に言う程大きくねぇだろ。」

なんでいちいちそんなに迷惑そうな顔するんですかー…もー…。