「ずーっとストーカーみたいにどこにでもついてくるの。

他の男子とメールしようもんなら凄い剣幕で怒鳴られてさ、『お前は俺のだろ!』って。

最初の頃は大事にされてるんだなって思えたんだけど。」

「…けど？」

おそるおそる聞くと、桜田さんははぁっと溜息をつきました。「…やっぱりアイツの束縛に耐えらんなくて、あたし、別れ話切り出したの。

それ以来すごい量のメールとか電話とかが来るようになって、家の周りうろついたり、

私とメールしてた男子を脅したり…さぁ、アイツ、顔が良いからみんな騙されてんだよ。」そんな人には見えないけどなあ、ナルシストだけど。

「…この頃は落ち着いてきたんだけど、でも…何か今度はあいつ、日娘ちゃんに気があるみたいだよ？…ねえ、本当に気をつけてね。」

ええ。そうらしいですね。告白されましたし。…ってあれ？

てことは私ピンチ？

ど、どどどどうしよう。

「…じゃあ、あたし塾あるからそろそろ帰るね。ばいばい、日娘ちゃん。」

「バ…バイバイ…。」

何だかすごい危険な予感。

早く川村と仲直りしなきゃ…なあ。