「ごめん、でも、あの、俺だったら沢嶋さんのこと絶対泣かせたりしない。絶対、大切にする。」

「…あ、一応確認するけど、私の事好きって『ラブ』と『ライク』のどっち?」

「ラブ、の方かな。」

うわあめんどくさい事になった。

「佐野君の望んでるような答えは…言ってあげられない。かな。」

「…なんで?」

何でと言われましてもあなたのこと好きじゃないからとしか言えませんよ。

「…何で俺じゃダメなの?俺だったら絶対沢嶋さんの事幸せにしてあげられるのに。川村より、俺のほうがさ。」

…この人、本当ナルシスト。

川村より俺のほうが、だなんて、一万年と二千年早いですよ。

「ううん。私、川村がいいの。ごめん。」

「……。」

佐野君は腑に落ちない顔をしていたけど、またすぐにいつもの爽やかスマイルに戻りました。

「急に変なこと言ってごめん、忘れて。」

「…うん。」

うーん、そう簡単には忘れられない気がしますけど頑張りますね。

「…体育館、戻ろうか。」

「ごめん、今日は帰る。」

正直、川村との事がショックで今日はもうさっさと帰りたいんですよ。

「…あ、ごめん、俺がこんなこと言うから。」

「ううん、違う。そうじゃないよ。気にしないで。」