修也side

あいつに声をかけられたとき、正直救われた気持ちになった。

まだ俺は沢嶋に嫌われてないんだって。

でも、口から出てくるのは冷たい言葉達だった。


『…何、また俺に嫌味言いに来たわけ?』

『良かったじゃん。あんなイケメン君と劇できて。』

『つか、俺よりアイツのほうが似合ってるよ。お前に。』


違う。俺が言いたいのはこんなことじゃない。

謝りたいのに。

元に戻りたいのに。

気持ちとは裏腹の冷たい言葉しか出てこない自分の口が憎かった。

どうして素直になれない?

大好きなのに、何で傷付ける?

『…な…んでっ…そんな、ひどいことばっか…っ…言うの…っ!?』

泣くな。

頼む、泣かないでくれ。

お前は何も悪くない。

悪いのは素直になれない俺なのに。

最初は純粋に沢嶋を助けたかっただけなのに。

沢嶋を笑顔にしたかっただけなのに。