「…何、また俺に嫌味言いに来たわけ?」

そんな言い方、無いじゃないですか。

「良かったじゃん。あんなイケメン君と劇できて。」

何でそんなこと言うの?

「つか、俺よりアイツのほうが似合ってるよ。お前に。」

…ねえ、川村。

「…何で、そんな、こと、言うの!?」こみ上げてくる涙を何とか我慢する。

「…な…んでっ…そんな、ひどいことばっか…っ…言うの…っ!?」

ああ、だめだ。

泣いちゃった。

「…そんなっ…私のこと嫌いになるなら…っ…さいしょっからっ…桜田さんのとこ…行けば…よかったんじゃないっ…!?」

川村も何故か悲しそうに私を見つめる。

「…ご…め、んね…、もう…いいよ、ぶかつ…行って…っ…。」

私は今の自分にできる最大限の作り笑顔で『ばいばい』と川村に言った。

もう嫌だ。

辛い、苦しい。

どうしてこんなことになっちゃったんだろう。

思えば些細なことだった気がする。

あの時私が甘えて川村に悩みを相談してればよかったのかな?

ああもうなんでもいいや。

知らない、あんなひどい事ばっか言う人。

私はしゃくりあげながら屋上のドアに手をかけました。