修也side

あー腹立つ。

何なの。もう沢嶋の相手役決まってるし。

誰だよアイツ。

佐野 昴(すばる …?

俺は部活の準備をしながらハァっとため息をついた。

朝のホームルームの休み時間に完全にこじれてから、ずっとモヤモヤしていた。

そうしたら三時間目の休み時間、新田がズカズカと俺の前に歩いてきて、仁王立ちでこう言った。

「沢嶋さんの相手役、決めたから!!!もう何言ったってあんたは王子役にはなれないから!!!!」

何が言いたいんだ。

「…しつけえんだよ!!!!!だからお前には何の関係もねえだろ!!!!!」

気がついたら俺は怒鳴ってた。

周りの女子が青ざめた顔で俺を見る。

だけど新田はぴくりとも表情を歪めずに、はぁっと溜息をついて、

「プライドなんか捨てたほうが楽だよ?好きならさっさと謝っちゃいな。後で後悔するよ。それはあんた自身がよく分かってるでしょ?」

と言うと、さっさとどこかへ行ってしまった。

お前は母親か!!!

それで、俺の代わりに王子役になったのが佐野。

男の俺から見てもイケメンで(決して変な気持ちはないけど)女子からも人気がある男子。

それが余計に腹立つ。

俺って面倒な性格。

あー、自己嫌悪ってまさしくこういうこと言うんだろうな。