『…邪魔だなあ、あの人…ボクの好きな日娘じゃなくなってく…。』

「…な…!?」

頭の中に直接響いてくるような声。

「…だ、あれ…!?」

『ボク…?ボクは本当の、嘘偽りのない正直な日娘だよ。』

すると、首に細い腕がギュッと巻きついてきた。

「…ひ…っ!?」

後ろを振り返ると、そこには私と瓜二つだけど目に光が宿らない女の子がいました。

でも、頭の中に浮かんだ私とそっくりな女の子とは、また何か違うような…。

『気に入らないなあ…ボクが大好きな日娘は…もっと冷たい目をした日娘だよ…、今みたいにヘラヘラしてなかった…。ねぇ、全部アイツのせいなの?』

「…やだ、放して!!!!」

『何言ってるんだい…?日娘…ボクは君の体内(ナカ にいる…。いつでも、どこでも…今も…ずっと…これからもね…。』

くすくすと笑う声に冷や汗が止まりません。

指先がふるふると震えてくる。

細い真っ白な腕がさらに私をキツく抱きしめる。

『ずーっと、ずーっと…一緒にいようね…、日娘…。』

そして、再びぞわっと背筋に気持ちの悪い感触が走ると、周りの喧騒も戻って、みんなも普通に動き始めました。

何だったんでしょう。今の。

「…沢嶋さん…?大丈夫…?」

「えっ…。」

すると、私の前の席の青木さんが席に着きながら私の方を振り返って話しかけてくれました。

ほとんど喋ったことがない、大人しそうなメガネの女の子。確かコンピューター関係に詳しい子だったはず。

「…え…大丈夫…って、何が?」

無理に笑顔を作る。

でも、指先の震えは止まりません。

あわわわ。