あー、謝る気失せた。

なんで俺だけペコペコ頭下げなきゃいけないわけ?

主人公やりたくねえなら勝手に降りりゃあいいじゃん。

つか、俺が相手だと嫌なら俺が役降りればいいんだろ?

簡単じゃん。

「…じゃあ俺が役降りるよ。…他の奴が王子役やりゃあ、沢嶋だって文句ねえんじゃねえの?」

「…は、はあ!?何言ってんのよアンタ!!!!」

「お前だって俺が王子役なのは不服だけどって言ってたじゃん。」

俺の言葉に、新田が口をつぐむ。

沢嶋はあっけにとられた顔をしていたけど、直ぐに俺を睨んできた。

「…川村のバカ!!!もういいよ!!!!!他の人とやる!!!」

「勝手にしろよ。」

俺はそう言うと教室を出た。

ああ、完全にこじれたし。

最悪。

まあいいや。これで多分沢嶋は主人公やるだろ。

「…っ、ちょっ、と!!!!川村!!!!!」

「何?まだ何かあんの?」

新田が教室の外まで追いかけてきた。

「…沢嶋さん、凄い悲しそうだよ、どうすんの!?」

「知らねえ。アイツが俺のこと嫌だって言ったんじゃん。」

「…さ、最低っ!!!!」

…つか、俺が謝ろうとしたとこにお前が来るから謝るタイミング失ったんだろ。

「…関係ねーだろお前には。」

すると、新田は不満げな顔をして、「本当あんたって人間のくずね!」と言い捨てて教室に戻っていった。

…はあ?

何なのマジで。