お母さんは目を見開いて私を見てました。

「…日娘、あなたいつからそんなにお母さんに反抗するようになったの!!!!!」

私はその声に弾かれるように部屋に駆け込みました。

お人形みたいにって、そんな言い方。

何なんですか。

川村といいお母さんといい、本当に、もう―――。

「嫌なことばっかり、だなあ…。」

レースカーテン付きのふわふわのベットに横たわる。

…ああ…ヘコんでても仕方ないですよね。

文化祭も近いし、台本も覚えなきゃいけないのに。

「…頭痛い…。」

さっきから頭が痛い。

頭痛薬とってこようかな…?

ベットから起き上がろうとしたけれど、体に力が入らない。

ズキン、ズキン、と心臓の拍動に合わせて鈍い痛みが走る。

あれ、おかしいなあ。

こんなに頭痛がひどい事なんて今までなかったんですけど。

「…ぅ…う…。」

ああ、もう寝ちゃおう。

寝ればスッキリするはず…です、よね。

ゆっくりとまぶたを閉じてゆく。

ああ、本当に頭が痛い。

「…っ…え…っ。」

まぶたが閉じきる寸前に、一瞬だけ、さっき頭の中に映った私とそっくりな女の子が見えた気がしたけれど、私はそのまま意識を手放しました。