「…そっか。」

沢嶋が言う。

すると、

「沢嶋さん、川村君。」

と俺らを呼ぶ声がした。

声のする方を振り向くと、教室のドアの前に、高橋が立っていた。

「……あ…っ。」

桜田は気まずそうな顔をしてうつむく。

マジでクラス中の視線が痛いんだけど。

高橋は教室に入ってきて、俺らのそばまで来ると

「ごめん。」

と言った。

「…美弥の言った嘘、全部信じて…ごめん、馬鹿だよな。俺。…マジでごめん。…沢嶋さんも。」

「…ああ…あの、いえ…私は平気…。」

「…俺も…別に…。」

「…ごめん、本当に悪りぃ…。」

「もういいよ、分かったから、ね?」

沢嶋が言う。

「ごめん…。」

高橋はそう言うと、教室を出ていこうとした。

「あっ、あのっ…!!!」

そこへ沢嶋が呼び止める。

「…何?」

高橋が振り向いた。

「あのっ、桜田さんと、仲直り、してね?幼馴染で、桜田さんの事、好きだったんでし
ょ?…うん、えっと、っほら、昔から言うよね、えっと…人を憎んで罪を憎まずって!!!!!」

「…え?」

途端、高橋がぽかんとした顔をする。