つか、沢嶋と俺の関係ってもうバレてるんだ。

…そりゃそうか。

教室でも構わず俺に抱きついてくる沢嶋を見ているわけだから。

というか、桜田達はどうしたんだろう。

いくら自習とは言えサボったらかなり問題になる気がする。



そうこう考えているうちに自習時間の終わりを告げるチャイムが鳴り、クラスメイトたちが次々に席を立ち始めた。

あっという間に騒がしくなる教室。

そこに目を腫らした桜田が帰ってくる。

騒がしかった教室が急に静かになった。

女子達がくすくす笑うけど、桜田はそれに構わずまっすぐ沢嶋の席に向かって歩き始めた。

あれ?

もしかしてこの展開ヤバくね?

『あんたのせいで恥かいた!!!』

とか沢嶋に逆ギレするとかないよね?

桜田はポカンとしている沢嶋の目の前で立ち止まった。

教室中の視線が桜田に集中しているのがわかる。

「おい…何やって」

「ごめんなさいっ!!!!」

俺が声をかけるのと同時に、桜田が沢嶋に頭を下げた。

「へ?」

沢嶋が気の抜けた声を出す。