「大好き。」

「…あっそ。」

川村って、照れると自分の前髪をくしゃってやるクセあるんですね。

先に廊下を歩き出す川村の手をそっと握ったら、大袈裟にびくつく川村。

「…シャイだなあ。」

「…はあ!?今お前なんて言った!」

「…シャイだなあって。」

川村は顔を真っ赤にして口をつぐんで、私の手を離してスタスタと歩き始めました。

「うわあ、ちょ、川村!?」

足は私の方が早いから無駄なのに。

「…照れてるのー?ねえ、照れてるのー?」

「…迎えに来なきゃよかった。」

「そんなこと言わないでよー。」

河村はムッとした様子で私のおでこにデコピンを入れてきました。

「ひぇえっ!」

「泣き虫。」

「なっ!?いま泣き虫って言った!!!!」

「言っとくけどお前の泣き声、スゲエ廊下に響いてたから。」

え。

それは本当ですか。

……は、はずかしい。