もしかしたらひどい事を言ったかもしれない。

クラスのみんなが怖がらせてしまうようなことをしたかもしれない。

…川村にも、迷惑をかけたかもしれない。

嫌われたかもしれない。

私はひとりぼっちになったのかもしれない。

それだけで、私の心は粉々になってしまいそうでした。

「…ふぇえええ…っ…ううっ…ぐすっ…。」

ぼろぼろと溢れる涙をなんとか手で拭って、膝を抱えてうずくまる。

うわぁ、情けないなあ、私。

どうせここは学校の中だし、

気づかれないなんてことないはずなのに。

ふ、と脳裏によぎる遠い日の記憶。

暗い中、ぽつんと一人ぼっちにされたあの時。

暗くて寒くて、息苦しくて。

「うぇ…えっ…ぐすっ…川村…。」

思わず声に出して呟く。

「んだよ。」

「ええ!?」

返答があったことに対して驚いて顔を上げると、

そこには笑いを噛み殺しているような表情を浮かべた川村が立っていました。