「…ねえ!!!!!!やるでしょ!?主人公!!!!!」

新田さんは私に掴みかかってきて、肩をがくがくと揺らしてきます。

あわわわわわ。

「な、なななな、何、主人公って、何…!?」

「何って、文化祭の劇の主人公!!!!!今日までに役決めないと間に合わないの!!!!!」

「文化祭の…げ、劇?」

そういえば、来月の上旬に、文化祭があったような…なかったような。

「ねえ!!!!お願い!!!!沢嶋さんしか頼める人いないの!!!!」

「に、新田さ…あの、肩…を…。」

「あ、ごめんね。」

新田さんはやっと私の肩を離してくれました。

「……あの、でも、私がやるより、もっといい人いると思うよ…。」

「ダメ!!!沢嶋さんにしか合わない役なの!!!!」

ど、どんな役なんですか怖いです!!!!

「…ラプンツェル、って聞いた事ない?」

「ラ、プッツエ…?」

「ラ・プ・ン・ツ・ェ・ル!!グリム童話の話。」

知りません。

グリム童話って何ですか。