「無理やりキスしたって、桜田さんが言ってたから、別に軽蔑はしないよ。でもね。」

「でも?」

沢嶋は悪戯っぽく笑うと

「やり直そうね。キス。私と。」

「…は、はぁ!?」

思わず絶叫。

「だって、川村、私の事好きなんでしょ?さっき否定しなかったじゃん。」

「…そりゃあ、まぁ、嫌いじゃ、ないけど。」

何でこんな答え方しかできないんだ。俺。

「…約束だよ。この約束は、やぶったら本気で怒るからね?私。」

沢嶋が無邪気に笑いながら言う。

…愛しい人とファーストキスをやり直す約束をしました。

俺はあまりの衝撃に何も言えなかったけれど、

沢嶋は相変わらず楽しそうに笑ってて

あぁ、この先もずっと絶対コイツには勝てないって思い知らされた。