「……さ…わ、しま!!!!!」

俺はなんとか声を出して、沢嶋の背中をポンポンと叩いた。

「…何?」

沢嶋は目を閉じたまま聞いてくる。

「授業!!お、く…れるだろ!!!!!」

「……そっかあ。遅れるね。」

俺が沢嶋の背中に回していた手をほどくと、沢嶋は俺から体を離してふわっと笑った。

「……あのさ、ところで。」

沢嶋が言う。

「…何だよ。」

沢嶋は急に真顔になっていた。

「…川村、桜田さんとキスしたんだよね?」

沢嶋が低い声で言った。

「………軽蔑する?」

俺がおそるおそる聞くと、沢嶋は首を傾げる。

「うーん、微妙。」

「微妙って何だよ……。」