「…みっ…美弥が、さっき……一階の…資料室に、沢嶋さんを……。」

顔を青ざめさせた女子達が口をこぼし始める。

その女子の声と共に荷物を床に投げ捨て教室を飛び出した。


沢嶋が危ない。


額に嫌な汗が滲み、どんどんと体が冷えてゆく。

ドクンドクンと心臓が不安を煽るように、嫌な鼓動を立てる。

階段を駆け降り、廊下を全力ダッシュ。

心臓が暴れまくって、息が苦しい。



資料室が見えてきたあたりで、桜田の怒鳴り声が聞こえてきた。

「沢嶋!!!!!」

俺が走りながら叫んでも、中から反応はない。

代わりに再び桜田の怒鳴り声が当たりに響いた。

資料室のドアを開け、そのままの勢いで一気に資料室に飛び込む。

するとそこには、ぎゅっと目をつぶった沢嶋と、悪魔のような形相で石膏の像を沢嶋に向かって振り上げた桜田がいた。