俺が勝手に沢嶋を好きになっただけだ。

だから沢嶋には絶対に迷惑かけられない。

沢嶋は守らなきゃいけない。

…この女、すげえ卑怯。

悔しい。

ムカつく。

でも、最善策は俺と桜田が付き合うこと。

そうすれば沢嶋には何の被害も及ばない。

俺が犠牲になれば沢嶋は守れる。

それなら。

「……分かったよ。」

「そう。じゃあうちらは今からカレカノね。」

桜田が嬉しそうに言うけど、その間俺はずっとうつむいていた。

「あ、もちろんカレカノなんだから一緒に学校来たり帰ったりするんだよ?

だから沢嶋さんと学校来るのも、休み時間に楽しそうに話すのもダメ。

もちろん、今日帰りに一緒にフルーツ牛乳買うとか約束してたけど、それも断って。

あと今週の日曜日に沢嶋さんを家に呼んだみたいだけど、それもだから。」