「そうか…。まぁ会えて本当によかった…。」

私を見て何か察したのか、彼は優しく微笑んでくれた。

(鋭い所と笑顔が眩しい所は全然変わってないな…。)

いや、変わってしまったのは私の方なのか。

『そー言えばなんでお兄ちゃんがここにいるの?ここ、不良校でも理事長室だよ?』

私がそう問うと、彼はうなだれながら、

「相変わらず毒舌だな…。」

と言った。

訳がわからず私が首をかしげていると、

「俺、ここの理事長。1番偉い人なの。」

……………。

マジで?

「今、『マジで?』とか思ったろ?俺どんだけ馬鹿な人間だと思われてんだよ…。」

そう、彼は昔からかなりのお馬鹿さんなのだ。