「お前、何者だ?」
いきなり何を言い出すのか。
『質問の意味がわかりません。ただの転入生ですが。』
そう返すと、
「お前のことをさっき調べた。だが、何も出てこなかった。」
『普通じゃないですか?』
「いや、普通だったら他にも出てくる。」
…この人、なかなかやる人だ。
今の暴走族にこんな人いたんだ。
久々に見たかもしれない。
「もう一度聞く。…お前は何者だ?」
明らかに、私を警戒している。
漆黒のその瞳がそう強く訴えている。
『知りたいのなら、調べてみたらどうですか?その方が面白いでしょう?』
試すように微笑んだ。
「…上等だ。」
彼の口角が怪しく、少し上がった―――