不機嫌さを思いっきり出して彼にそう問うと、

「君、転入生だよね?綺麗な顔してるね~名前なんてゆーの?」
目を輝かせて聞いてきて、今度は仔犬のようだ。

『人の名前を聞くときはまずは自分から。常識じゃないですか?てか、私綺麗じゃありません。』

私がそう言うと、彼は目をキョトンとさせて、いきなり笑い出した。

訳がわからず、私が怪訝そうな顔をすると、

「アハハハハハ!あ、ごめんね!初めてそんなこと言われてびっくりしちゃった!」

彼はまだ笑ったままだ。

「では改めて。僕は山下透(Yamashita Toru)よろしく!」

そう言いながら、眩しい笑顔を見せてきた。

『江藤真です…。』